月カン!雀賢荘 Vol.11


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┃賢┃┃月┃カ┃ン┃!┃雀┃賢┃荘┃Vol.11┃
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【月カン!雀賢荘★INDEX】―――――――――――――――
|(1)麻雀を知ってるつもり!? Vol.11
|(2)ハカセの雀賢荘ハカ戦記
|(3)薄幸OL編集長通信
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(1)○●麻雀を知ってるつもり!? Vol.11
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麻雀の歴史を面白おかしくえぐりだす!11回目。さて今回は?
 
■■コレクターへの道■■
 
■まな板の上のコレクター道■
 
 ぼくはハカセと呼ばれています。博士というからには、麻雀のことなら何で
も知っていると思われそうですが、じつは博士は博士でも子どもポケモン博士
くらいの博士です。
 
 仮に日本麻雀大学が設立されたとして、ぼくが教壇に立てるのかといったら、
入学するための塾講師がせいぜいでしょう。いや、アカデミズムの世界が確立
されたら、すぐに駆逐されてしまう自称評論家という気もします。
 
 では、誰が教授として適任かといいますと、ぼくの師匠に当たる親ハカセで
しょう。麻雀の歴史とルールの研究では、親ハカセこそ日本一です。ぼくの書
く「脱衣麻雀の歴史」などの内容と、親ハカセのHPに書かれてある内容を見く
らべてみると、その歴然とした違いがわかると思います。
 
浅見了(親ハカセ)麻雀宝夢頁
http://nagoya.cool.ne.jp/asamiryo/
 
 さて師匠と書きましたが、麻雀の師匠といったら「なぜあんなテンパイが見
抜けない?座禅3時間だっ!」などと特訓されているイメージがわくかもしれ
ません。しかし、それどころか、ぼくはまだ一度も対局したことがないのです
(うまいのかな?)。
 
 それでは、ぼくはいったい何を指導されているのかといいますと、これが古
本の買い方なのです。親ハカセは麻雀のさまざまな領域でも、とくに古書収集
というジャンル(?)に精通しています。平たくいうなら熱血コレクターなの
です。
 
 親ハカセは日本中の古本屋の目録を取り寄せて、そのすべてをチェックして
います。そこで、「○○という本が出ているけど、これは買いだな」とか、
「この××という本は、初版じゃないのに初版クラスの値段になっているから
見送った方がいいな」といった情報をメールで送ってくれます。
 
 ぼくも麻雀の歴史について原稿を書くようになって何年かたち、そろそろ観
念して麻雀の古書を買い始めました。しかしそれが高いのです。貴重なものは
だいたい一冊が5000円します。そうすると原稿料などはすぐに飛んでいってし
まいます。
 
 親ハカセの指導のもと、もう20冊くらいは古書を買ったでしょうか。昨日は
親ハカセに紹介されたわけでもないのに古本屋に行き、思わず4冊ほど買い込
んでしまいました。いつも5000円クラスの本を買っているため、たまに親元を
離れて1000円や2000円の本を見かけると、買わないと損した気になってしまう
のが困りものです。
 
 もう古書集めは乗りかかった船だと思っていますが、じつはまだ切符売り場
に足を踏み入れた程度かもしれず、いや、それどころか、まだ自宅を出たばか
りという気もするため、先行きが不安です。これから、いったい何冊買えば免
許皆伝になるのでしょうか?
 
■結婚相手よりも見つけにくい古本って?■
 
 世の中には、さらにパワーアップしたお化けのような古書マニアもいます。
作家であり博物学者として知られる荒俣宏(あらまたひろし)さんは、国内の
みならずヨーロッパの古書店からオークションまで網羅していて、お金が入る
なり一冊が数十万〜数百万円もする豪華本を買い込んでしまうとか。銅版画な
どの図版が充実した大図鑑はとくに高いそうで、そういった本になるほどほし
くなってしまうそうです。
 
 彼は「ルネサンス末期の本づくりにすっかり惚れてしまったのだ」などとい
いながら、家には本があふれて住めなくなり、出版社に泊り込んでいます。そ
してものすごい古本の山に囲まれながら、コンビニ弁当を食べ、イスを並べて
はその上に寝ているそうです。漫画家の杉浦日向子さんと結婚するも半年で離
婚しながら、こんな名言(?)を残しています。
 
「よい古本に巡りあうのは難しい。生涯の恋人に巡りあうことのほうがずっと
易しい」
 
 じつはこういった荒俣さんの生活は10年ほど前のことで、その後、再婚する
ことによってかなり改善されたといいます。それでも、絶滅鳥類について数十
枚ばかりの原稿を書くことになって(原稿料は数万円?)、イギリスの大富豪
ライオネル・ウォルター・ロスチャイルドが300部限定で作った「絶滅鳥類誌」
という大判豪華本をヨーロッパ中の古書店に問い合わせて、一番安かった25万
円で買い込むといった類の事態は、いまでも続いているのでしょう。
 
 そんな人からすれば、ぼくの悩みなど「5000円?安くて幸せだね(笑)」と
鼻先で笑われてしまうに違いありません。また親ハカセからすれば「そろそろ
無免許運転は卒業するべきじゃないかな(笑)」ということになりそうです。
そういった先達のお言葉には、たとえ頭のなかではドナドナが流れていようと
も、頭をたれて従うしかありません。
 
 そんな売られてゆく子牛の心境になりながらも、その一方で、昨日買ってき
たうちの「麻雀の勝ち方」(川崎備寛著・昭和31年刊・3000円也)を開いてみ
ると、戦前から戦後にかけて最強を誇っていた川崎備寛(びかん)先生が、自
分の麻雀を「麻雀の勝ち方五十の鍵」として明かしているんだから、読まない
わけにはいかないよなあと思ってしまいます。
 
 また、同じく昨日買ってきたもう一冊「麻雀最新戦術」(米沢章著・昭和5
年刊・5000円也)を開いてみると、第一次麻雀ブーム時のルール論争では、一
方の雄だった米沢章(あきら)先生が理想のルールを語っているのだから、無
視したらバチが当たるよなあという気がします。
 
 さらにマズイのは、すでに持っている「麻雀競技法」(中村徳三郎著・大正
13年刊)があるのを見て、ぼくの持っている本よりも状態がよかったため、も
う一冊買おうかと一瞬迷ってしまったことです。
 
 この本は日本麻雀史の三大必読文献とされています。そもそもは背表紙に花
札のような札が貼られているのですが、ぼくの持っている本ではその札がはが
れており、古本屋にあったものにはきれいな状態で貼られていました。この本
は札ありと札なしでは価値が違うと教わったときには、資料として読む以上そ
んなことは関係ないと思ったのですが、実際に古本屋で見つけてみると、やは
りきれいなものには魅力があります。
 
 師匠の教えの賜物(たまもの)として、目利きの力がついたことを喜ぶべき
でしょうか。それとも病気がうつったと考えるべきでしょうか。こうして麻雀
古書収集家への遠い遠い道のりを、トボトボと歩き始めたのでありました。
 
引用:「ブックライフ自由自在」(荒俣宏著・集英社文庫)
 
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「えぐり込むように買うべしっ」という麻雀ライター修行の道。こんなこと書
いて破門にならないの? もしかして破門されることが狙いとか?
 
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(2)○●「近代麻雀」誌に数多くの連載を持つライターによる対戦記!!
  <ハカセの雀賢荘ハカ戦記>
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■バルタンの逆襲■
 
 SM作家の団鬼六さんによると、「SMには興味ないけど、エルメスの鞭でだっ
たらぶたれてもいいわ」といった女性がいたそうです。エルメスの底力を示す
エピソードですが、雀賢荘のタイトルマークにも同じような魔法がかかってい
るのかもしれません。
 
 このマークを手に入れた瞬間から、自分に対する視線が快感に変わります。
対戦相手が心のなかで「あら、あのマークは何かしら? わたしもほしいー!」
と思っている声が、どこからともなく聞こえてくるのです。
 
 ぼくも雀賢王を持っているときには、その快感を味わっていました。高ビー
女王様が合コンに誘われて、「どーしてもわたしに来てほしいの? うふふふ」
と、出席するような気持ちで対戦していたのです。「あなたたち、わたしと同
席できるなんて幸せよ」と思っていました。
 
 そんな女王様状態から叩き落されたのは2カ月ほど前のことでした。女王様
と庶民の違いは小さなマークだけ。エリザベス女王は死ぬまで女王様でしょう
が、こちらは小さなマークを失うだけでパンピーになってしまうのです。
 
 最大の失敗はメンツ選択でした。一人はMさん。雀風がぼくと似ていて、当時、
フライデーリーグ(私設リーグ戦)で争っていたこともあって、なんとなくラ
イバル意識を持っていました。もう一人はUさん。得点の総合ランキングでトッ
プに立っている人です。
 
 手強い相手とはいえ、この二人だけならよかったのです。最後の一人に問題が
ありました。その人はトモゾウさんといい、ゴタク雀士として知られています。
 
 彼は相当の雀力を持ち、深い見識に裏打ちされた意見を聞かせてくれますが、
その一方で、負けているときには「ヘボ相手にがんばってもしょうがない」とい
い、自分が勝っているときには「腕の差よ。(V)o\o(V) フォッフォッフォ」と、
バルタン星人に変身します。一流の雀力を持ちながら、超一流のわがままさもあ
わせ持っているのです。こちらが高ビー女王様なら、あちらはバカ殿様といった
ところでしょうか。
 
 対局が始まって、ぼくは東1局にリーチしました。そこにバカ殿様が振り込ん
できました。それも六六七九の形でテンパイしているところに、ぼくの現物であ
る五を引いて、わざわざ危険な九マンを切ってきたのです。
 
 そのままカン八マン待ちにしていれば彼のアガリだったと思いますし、その程
度の読みができないゴタク雀士ではありません。しかしここらへんがバカ殿様な
のでしょう。「なぜワシがヘボリーに屈して、タンヤオを崩さねばならんのだ?」
と思っていたに違いありません。
 
 東3局、早くもクライマックスが訪れました。これがぼくの配牌です。
 
二三四(6)(6)335799東西 ドラ4
 
 この配牌がこんな最終形になったのでした。
 
二二三三四四(6)(6)(7)(7)(8)33 ロン(8)
 
 自分でいうのも何ですが、これこそ手作りの芸術でしょう。(6)ピンが2枚しか
なかったピンズに(6)(7)(8)のイーペーコーが作り出された手順は、デビューアル
バムを2カ月で524万枚も売った宇多田ヒカルを思わせました(ナルシーですみま
せんが、なんたって女王様です)。
 
 このアガリにはランキングトップのUさんも「すごいっ!」と驚嘆の声を上げて
います。振り込んだのはやはりゴタク雀士ですが、さすがに文句のつけようもない
のでしょう、黙っています。
 
 そして南1局にはUさんがイチサン・ニーロクをツモ。これで三人がほぼ並びま
した。Uさんは32200点、ぼくは30700点、Mさんは30500点。そして一人落ちこぼれ
ているゴタク雀士は6600点です。こうして勝負は三つ巴となって、ますます白熱
したのでした。
 
 南2局、ぼくの親番を迎えました。勝負所です。しかし気合を入れる間もなく場
は緊張に包まれました。ライバルMさんが早々と北と西をポンしたのです。ドラは
中です。役にならない北から先にポンしたこともあって、ただならぬ気配がただよ
っています。ぼくの手牌はボチボチといったところですが、東と中をつかんでしま
い、さすがに勝負できません。
 
 そうしているうちにライバルMさんがさらに5ソーをポンしました。
 
■■■■ 555 西西西 北北北
 
 あれ? ホンイツトイトイまでだったら、ドラの中はともかく東は勝負できるじゃ
ないか。東を勝負して中タンキにもっていけばいいんだよな。そう思ってぼくは東を
切り出しました。「ロン!」。開けられたMさんの手牌は東東南南でした。小四喜
(ショースーシー)の役満です。
 
w(☆o◎)wガーン
 
 あ、あ、あれー? そう、宇多田ヒカルとボケは紙一重。役満はないと思ったのは
単なる勘違いでした(°◇°)~。それどころか、ますます危険が高まっていたのです。
 
 し、し、しまったー! パンピー相手の小博打に熱くなってうっかり全財産を突っ
込んでしまう女王様のように、ぼくは守るべきエルメスを持ちながら、いつの間にか
トップ狙いしか眼中になかったのでした。
 
 エルメスもマクドナルドに敗れ去る時代なのでしょうか。芸術品ともいえるタンピ
ン・リャンペーコーをアガりながら、ぼくは三つもポンした力づくの小四喜によって、
箱下に沈められてしまったのです。
 
 しかしこのとき、箱下とはいえわずかに1600点です。まだ希望は残っています。な
んとか1600点以上を稼ぎ出しさえすればエルメスは守れます。と、そんな没落貴族の
願いを打ち砕いたのはゴタク雀士でした。それまでまるで生気のなかったゴタク雀士
がここにきてよみがえったのです。
 
 南3局には、ゴタク雀士が早々とリーチ。ぼくもテンパイして追いかけリーチした
のですが、ゴタク雀士がツモってしまいます。こちらは(2)(5)ピン待ちだというのに、
ゴタク雀士の待ちはカン(5)ピン。なぜ(2)(5)ピン待ちがカン(5)ピンに負けなければ
ならないのでしょう? ( ̄□ ̄;)!!
 
 そしてオーラス。ぼくの持ち点はマイナス5400点となっています。苦しい配牌から
唯一の希望ともいえる一通を目指して手を進めますが、ゴタク雀士が早々とダブ南を
ポンして、さっさと3着のままで終わらせてしまったのでした。オーラスにラス確定
でアガる人たちをいつも非難しているのに、3着確定のアガリならいいのでしょうか?
 \(`o'") コラーッ
 
「これでタイトルは移動したな。(V)o\o(V) フォッフォッフォ」
 
 自分は3着にもかかわらず、ゴタク雀士は自分の手柄みたいな顔をして上機嫌にな
っています。こうして芸術品への振り込みを根に持つゴタク雀士の策動によって、わ
がエルメスは失われてしまったのでありました。
 
ば、ばかやろー!(ToT)ダー
 
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「エルメスの鞭でだったらぶたれてもいいわ」って名言ですね。こっちも師匠について、
えぐり込むように買ってみると何かつかめるかもしれません。

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(3)○●薄幸OL編集長通信
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春ですね。

 世の中すっかり「新生活シーズン」ですね。雑誌・テレビなどは、インテリア特集
やら物件特集、習い事、メイク、ヘアスタイル・・などなど。「春」=「ルン♪」な
空気。ちょっと馴染みにくい。

 先日チョコレートを食べた時の事。ふと箱の見ると、裏に「この製品は、ビーナッ
ツや卵を使用した設備で製造しています」と記載してありました。

 ピーナッツ・卵を使った設備??・・・これはまさに製菓工場はお菓子の国か?は
たまた地球に優しい工場なのか?と心躍らせました。早速、友人に話したところ・・。

「ピーナッツや卵を使った設備でチョコレートも作っているって事でしょう?」

 ・・・・・そうか。そうだったのか。少しはお菓子いな?(オカシイナ)とは思っ
ていたのですが。失礼。

 国語力のなさを痛感。夢破れた瞬間でした。
 
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3月8日(金)10:00〜3月25日(月)定期サーバメンテナンス終了まで
尚、再開に関しましては予定より前後する場合がございます事を予めご了承ください。  
 
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