月カン!雀賢荘 Vol.16


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┃賢┃┃月┃カ┃ン┃!┃雀┃賢┃荘┃Vol.16┃
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【月カン!雀賢荘★INDEX】―――――――――――――――
(1)クイズ ハネマニアー
(2)お笑い雀賢士列伝
(3)超永世名人への道
(4)金言劇場
(5)重箱の隅Q&A
(6)ハカセの四畳半から
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■ごあいさつ

 ぼくはこの1ヵ月ほど、生麻雀を打つことが多くなっています。ネット麻
雀も面白いものですが、やはり何事も生に勝るものはないと思います。…と、
雀賢荘のメルマガでこんなことを書いてちゃマズイですね。それでは今月の
メルマガをお届けします。

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━━━(1)<クイズ ハネマニアー 問題編>━━━━━━━━━━━━━━━

業界のもんたを目指さないハカセによる麻雀クイズ。ファイナルアンサー!?
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◆第1問 千点級◆
ネット麻雀の出現数データから見て、一番簡単な役満は?
A.大三元 B.四暗刻 C.国士無双

◆第2問 二千点級◆
同じく一番難しい役満は?
A.天和 B.九連宝燈 C.四槓子

◆第3問 ザンク級◆
かつて国会で「麻雀のレートは法的にはいくらまで許されるのか?」と質問し
た参議院議員は誰?
A.江本孟紀 B.中山千夏 C.アントニオ猪木

◆第4問 マンガン級◆
そのとき、後藤田正晴法務大臣はいくらと答えた?
A.千点百円まで B.千点2百円まで C.明言しなかった

◆第5問 ハネマン級◆
ノーパンしゃぶしゃぶ屋はあるのに、なぜ脱衣フリー雀荘はないのだろう。そ
の理由は?
A.風営法で、お色気系とギャンブル系にまたがる申請は通りにくい
B.麻雀を打てる風俗ギャルは少ないため、店員を雇えない
C.採算面で成り立たない


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━━━<クイズ ハネマニアー 解答編>━━━━━━━━━━━━━━━━━

全部クリアーしたら、あなたも立派なハネマニアーだ!!
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◆第1問 千点級◆
B.四暗刻
東風荘で出現した役満6万5千回を集計した結果では、多い方から順に四暗刻
(32.5%)、国士無双(23.4%)、大三元(22.5%)となっている(提供:多摩氏)。

◆第2問 二千点級◆
C.四槓子
同じく少ない方から順に、四槓子(0.03%)、天和(0.16%)、大四喜(0.43%)となっ
ている。他に、清老頭、九蓮宝燈、地和も1%以下で、これらは役満を100回ア
ガったときに1回あればラッキーな激レア役満ということになる。

◆第3問 ザンク級◆
A.江本孟紀
西部ライオンズの東尾選手(当時)がマンション麻雀で捕まった事件を受けて
の質問ではないかと思われる。この質問で国会は笑いに包まれたという。

◆第4問 マンガン級◆
C.明言しなかった
いわゆる賭博法では、金を賭けてはいけないが、一時の娯楽程度ならいいとさ
れている。この「一時の娯楽」の範囲が問題となるわけだが、このときにも常
識の範囲内でといった玉虫色の答えだった。

◆第5問 ハネマン級◆
C.採算面で成り立たない
かつて東京新宿の歌舞伎町に実在したこともある。しかし人件費や設備費の効
率が悪すぎて、他の風俗店やフリー雀荘にくらべて非現実的なほど割高になっ
てしまう。一枚脱がせるのに3万円払えます?( ´△`)


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━━━(2)<お笑い雀賢士列伝>━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

雀賢荘に出没するキャラクター、サークル、出来事などを紹介します。
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■■マニアック麻雀集団・Fリーグ■■

 ネット麻雀の楽しみ方には、いろいろな段階が存在します。サークルを作っ
て毎晩のように交流していたり、知り合いを集めて大会を開くのは、かなりマ
ニア度の高い楽しみ方だと思います。

 やはり気が向いたときに打つだけの人が多数派で、これが普通の楽しみ方だ
といえるでしょう。何人かの名前は覚えているけれども、サークルまでは作っ
ていないという人が多いようです。

 雀賢荘では月に1回ずつ10日間の大会が開かれていますから、その期間だけ
打ちまくる人も多いようです。半荘百回以上打つ鬼のような人たちが少なから
ずいますから、これまたマニア度の高い(というと病気のようですが…)楽し
み方といえるでしょう。

 ネット麻雀に求めるもののうち「交流」と「麻雀」のバランスによって、人
それぞれスタンスは変わってきます。「交流」が強い人たちでは、そこでラブ
ラブが生じたり(けっこうあるようですね)、また友情や裏切りなどの人間模
様も生まれてきます。

 いっぽう「麻雀」の度合いが強い人たちは、あまり集団を作る方向にいかな
いようですが、リーグ戦まで作ってしまった超マニアック集団も存在します。
それがフライデーリーグ(略してFリーグ)です。

 集団といっても、これはサークルではありません。Fリーグとは雀賢荘の私
設リーグ戦であり、12人のメンバーで毎週金曜日の夜に半荘2回ずつ打ち、
10週間(=20回戦)での成績を競います。この10週間のクールをこれまで3期
やっていて、現在4期目が大詰めを迎えています。

 Fリーグのすごい点は、優勝賞金や運営経費が主催者のフトコロから出てい
ることでしょう。ぼくの知るかぎり、個人が賞金まで出している大会やリーグ
戦は雀賢荘では他にないのです。

 普通の勤め人が無理なくプロと打てることが設立の目的だそうで、最近の雀
賢荘ではレア度が高くなっているプロと打てるのも特徴のひとつです。雀賢荘
プロ三人衆(丸山誠一郎、Hyde、中島英昭)+ぼくという特殊階級4人がみな
Fリーグには参加しています。

 メンバー12人のうち、主催者のぴくぴく氏+HPを管理するAOI氏+プロ
3人+ぼくの6人が固定メンバーで、あとの6人は予選で勝ち残った人たちの
枠です。

 1年ほど前のこと、ぼくが初めてFリーグの存在を知り、誘われて参加した
ときには衝撃を受けました。ネット麻雀とはなんて便利なものなんだろう! 
そのときには心からそう思ったものです。というのも、普通ならリーグ戦に参
加するには、ものすごい時間とエネルギーが必要だからです。

 ぼくもプロ団体に入って緊張感のある麻雀を打ってみたいと思ったことは何
度もあるのです。しかし働いていたり、家庭があったりすると、そうそう参加
できるものではありません。それがネット麻雀なら、その時間に自宅にいるだ
けで参加できるのですからカルチャーショックでした。大げさにいうなら、ネ
ットによるリーグ戦革命が起きていたのです。

 そんなわけで、ぼくも第2期からFリーグに参加しています。その間にFリ
ーグも大きくなったのか、半年前に行われた第3期予選では6人枠に8人が参
加するという少子化に悩む私立中学みたいな状況でしたが、3ヵ月前の第4期
予選では32人の予選枠がすぐ満杯になってしまう盛況ぶりとなっていました。

 そして12月にスタートする次期第5期には、グランドチャンピオンリーグ、
略称GPリーグ(←略したらGCじゃないの?)と銘打って、壮大な規模で開
催される予定となっています。

 予選免除で参加できるのは、過去のプロ対戦の優勝者、先月行われたメカラ
ウロコ杯の優勝者(サトリックス氏)、自然流CUPの優勝者(現在開催中)、
漢塾大会の優勝者(←これは自然消滅しそうです)、今期Fリーグの優勝者、
プロ協会の崎見百合さん(ぼくがスカウトしました)、そして以前からの固定
メンバー6人です。

 さらに予選も行うため、全体では16人スタイルになる可能性が高そうです。
優勝賞金もグランプリ級になってくれたらうれしいのですが、さて、どうなる
のでしょう?

 そんなわけで超マニアック集団・Fリーグは、ボチボチと盛り上がっている
のでありました。なお、今期は全10週間のうち9週まで終了しており、残るは
上位4人による決勝戦のみとなっています。

 この決勝3回戦は、10月11日金曜日の23時から無階級サロンで開催されます。
メンツはぼく、酔拳使いのネカマ雀士(なのか?)・清春子氏、阿波踊りの奔
馬・朝太郎氏、眠れる引退プロ・丸山誠一郎氏です。

 ただ麻雀を打つだけで、エロチャットの盛り上がりもないと思いますが、よ
ろしかったら観戦にどうぞ。(⌒∇⌒)ノ

FリーグHP
http://k-server.org/friday/


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━━━(3)<超永世名人への道>━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

初級者から上級者まで役立つ麻雀講座。斬新なハウツーをめざします。
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■お得な役満・国士無双■

 クイズの問題にも取り上げた通り、一番簡単な役満は四暗刻で、その次は国
士無双だと思われます。これは他のデータをみても同じ結果となっています。
ただしぼくの感覚では、この二つは同じくらいの出現数で一番かなという気が
します。というのも国士無双は絶対に狙わない人が少なからずいるのです。

 国士無双とチートイツは嫌いな人にとっては耐えがたい役のようで、狙わな
い人は絶対といっていいほど狙いません。そういった人は女性に多いようです
が、聞くところでは、チートイツは1シャンテン時のイライラが耐えられない
とか。気持ちはわかりますね。

 国士無双は1シャンテン時が特に難しい役ではありませんが、チートイツと
似た感覚があるのはわかる気がします。メンツを作る役ではないので、手を育
てている感覚がないのでしょう。また、潰しが利かず、流局したときはノーテ
ンになってしまうことが多いのも嫌な点かもしれません。

 しかし逆にいうなら、そういった人がいても2位の出現数を誇っているわけ
ですから、その完成しやすさがわかるというものでしょう。

 ぼくの持っている資料で、コンピュータが無作為に作った配牌10万回のすべ
てで国士を狙ってみたデータがあります(「麻雀百科 昭和53年度版」竹書房
刊より)。その数字を見てみると、国士無双が有利であることがさらによくわ
かるのです。

 そのデータでは配牌を一九字牌の枚数ごとに分類しています。配牌で一九字
牌が8種類あったのは全配牌の約1%で、そのうち18巡目まで国士を一直線に
狙ったとき、テンパイしたのは16%でした。なかなかの数字だと思います。こ
れを15巡目までという条件にすると、テンパイ率は9%となります。

 また配牌で一九字牌が9種類あったのは全配牌の約0.1%で、そのうち18巡
目まで国士を一直線に狙ったとき、テンパイしたのは32%でした。なんと3回
に1回はテンパイしているわけです。これを15巡目までという条件にしてみる
と、テンパイするのは20%となります。

 もちろん実戦では早いリーチをかけられることも多いので、同じ数字で考え
ることはできないでしょう。しかし、実戦ではよくお目にかかる一九字牌が9
種類の配牌は、わずか約0.1%しかない国士無双向きのエリート配牌であるとも
いえるわけです。

 クズ配牌のときには、真面目に最速のアガリに向おうとするよりも、遠くの
大物手に向うのが手作りのコツです。国士狙いはその代表ともいえるでしょう。

 途中で他の役に潰しがきかない欠点も、安全牌は豊富にあるのですから、悪
くない万馬券狙いでしょう。これから配牌で一九字牌が8種類以上あるときには、
ダメ元で国士無双を狙ってみるのはいかがでしょう。菊川怜をナンパしようと
するよりは確率が高いと思います。


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━━━(4)<金言劇場>━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

麻雀の金言を毎月ひとつずつ紹介します。
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■今月の金言■

『麻雀賛』

 とにかく勝つ人は強い人である、多く勝つ人は結局上手な人、強い人と云は
なければならないだらう。しかし、一局一局の勝負となると、強い人必ず勝つ
とは云へない。定牌を覚えたばかりの素人に負けるかも知れない。そこが麻雀
の面白みであらう。

 しかし、勝敗の数は別として、その一手一手について最善なる打牌を行う人
は結局名手と云はなければならない、公算を基礎とし、最もプロパビリティの
多い道を撰んで定牌に達し得る人は名手上手と云へよう、しかしさうした公算
に九分まで、準據ししかも最後の一部に於て運気を洞算し、公算を無視し、
大役を成就するところは麻雀道の玄妙が存在してゐるのかも知れない。

 最善の技術には、努力次第で誰でも達し得る。それ以上の勝敗は、その人の
性格、心術、覚悟、度胸に依ることが多いだろう。あらゆるゲーム、スポーツ、
がさうであるが如く、麻雀、も技術より出で、究極するところは、人格全体の
競技になると思ふ。そこに、麻雀道が単なるゲームに非る天地が開けると思ふ。

〜〜菊池寛(作家・日本麻雀連盟初代総裁)先生のお言葉〜〜


■麻雀オタクの麻雀ゴタク■

 ドラマ化された「真珠夫人」がヒットして、再評価されつつある菊池寛先生
のお言葉です。

 作家であり文藝春秋の社長でもあった菊池寛先生は、いっぽうでは大変な愛
雀家でもありました。最近復刻された「第二の接吻」は、麻雀シーンが初めて
出てくる小説とされているのですが、麻雀シーンを入れるために書いたという
噂まであるほどです。

 上の「麻雀賛」は賞状のような紙に書き綴られたもので、現存しているのは
コピーだけ。原本をお持ちの方は、麻雀博物館に持ち込めば100万円で買い取っ
てもらえます。


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━━━(5)<重箱の隅Q&A>━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

麻雀に関するあらゆるQ&Aです。質問が寄せられたら取り上げます。
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■■さらし間違いの責任は誰が取る?■■

Question
 福地ハカセさん、こんにちわ(^^ わたくし、Hydeと申します。
 以下、質問です。まじわかんないから教えて…(汗)

 ある対局のオーラスで、南家がカン7ピンをチーしたのですが、さらし間違
いで、6ピンを横にしてしまいました。そのことに誰も気づかないまま、東家
が起死回生の6−9ピン待ちでリーチしました。

 すると北家は6ピンを現物と勘違いして、ベタオリして6ピンを抜き打って
ハネマンを振り込んでしまいました。そこで東家は6ピンを切ってないことを
覚えていたため、南家のさらし間違いが発覚しました。

 考え方としては、下の1〜4があると思いますが、この場合どうしたらよい
でしょうか?

1.そもそもさらし間違えが悪いので、南家がさらした時点でチョンボ。
2.さらし間違えに誰も気づかずに進んだので、それが正しいとして、東家がフ
リテンでロンしたチョンボ。
3.本来ならフリテンではないのだから、アガリ優先と考えてアガリが成立。
4.さらし間違えに気づかない全員が悪いのでノーカウント。

 東家としてはアガリを譲らないと思いますし、無効扱いにも納得しないでし
ょう。北家も6ピンを抜き打ってまでオリたので払いたくないと思います。ち
なみに全員怖い方々なので、かなりやばい雰囲気です(笑)。なんとか全員を
納得させてください。【Hydeさん】

Answer
 なかなか臨場感のあるご質問です。最大の解決策は怖い方々とヤバイ麻雀を
打たないことだと思いますが、それでは納得していただけないでしょうから、
ルールの問題として考えていきましょう。

 この問題が難しいのは、以下の要素が絡まっているからだと思います。

 まず南家のミスが発端であることは確かだとしても、それが小さなミスにす
ぎないこと。そのミスから数巡が経過しており、全員が黙認したかたちになっ
ていること。そのミスが原因となってアガリと振り込みが発生し、現実は次の
段階まで進んでいること。そして南家のチョンボ扱いでは、アガっていたはず
の東家は納得しないこと。また北家は6ピンを選んで振り込んでしまったため、
点数の支払いに抵抗を感じていること。

 つまり千点罰符にも相当しないミスの小ささと、そこから引き起こされた惨
事の大きさにミスマッチが生じているのです。……と、そんな理屈はいいとして、
具体的な裁定に進みましょう。

 ぼくの裁定では、このケースはさらし間違いをした南家のチョンボとなり、
東家はアガリはノーカウントとなります。さらし間違いはチョンボにするほど
のミスではありませんが、この場合はそれが原因で勘違いによる振り込みが発
生してしまったわけですから、責任を追及されるのもやむをえないことでしょう。

 麻雀は審判のいない競技ですから、対局者4人が審判をかねています。そこ
で全員が見すごしてしまった間違いは、全員が認めていたものとして現状を優
先するという原則があります。しかしこの場合には、南家がさらし間違いした
ことは明らかになっているため、それならば現状を優先するよりも、その場に
さかのぼって正誤を判断すべきでしょう。

 問題は、東家はこの裁定には納得しないことだと思われます。東家が納得す
るのは、南家が責任を取って振り込み分の点数を支払うことでしょう。それな
らば脇の二人も異存ないでしょうし、また南家にしても、東家への振り込み扱
いとチョンボでは、いずれにしろあまり変わらないので、納得するのではない
でしょうか。感情的には、この裁定が一番だろうと思われます。

 しかし杓子定規なようですが、現行のルールでは、過失=チョンボとされて
おり、その過失から生じた結果を補償すべきとは考えられていません。具体例
を出すならば、チョンボをしたときに、役満をテンパイしている人がいたとし
ても、そのアガリ点まで補償する必要はないと考えられているのです。

 つまり、裁定結果を感情的な損得勘定に近づけようとはされていないわけで、
それが麻雀のルールと現実の裁判との違いだと思います。ですからこの局は南
家のチョンボとなり、東家のアガリはノーカウント。それでいいと思うのです。

 やはり麻雀はゲームですから、原理原則的なルール運用にとどめていいので
はないでしょうか。オレがアガっていたんだけど……という東家の不満には、
それはさらし間違いによる勘違いによって生じた振り込みだということで、納
得してもらいましょう。


■■中国麻雀の捨牌は? 世界大会ってあるの?■■

Question
 質問は二つほどあるのですが、(1)本場中国の麻雀って、捨て牌を並べずにみ
んな河に山積みしてしまうってホントですか? 本当だったら今現在も中国の
麻雀ってそうなんでしょうか?

 (2)麻雀も囲碁のように国際大会みたいなのはないのですか? 国によってル
ールが違うと思いますが、世界統一ルールみたいのはないのでしょうか? 
トーシロの質問ですみまそん^^;【DONNAさん】

Answer
 はい。それでは、まず最初のご質問からいきましょう。中国では捨牌を一人
ずつ並べません。真ん中のスペースにどんどんと投げ込んでいきます。かなり
ハイスピードで打ちますから、きちんと並べてなんかいられません。また並べ
る必要もないのです。

 振り込んだ人が全額を払うのは、日本でできたスタイルです。そのために捨
牌をきちんと並べるようになりました。世界的に見るかぎり、われわれの麻雀
の方が特殊であり、少数派です。

 次のご質問はおそろしくタイムリーです。というのは、この10月に東京で世
界選手権が行われるからです。場所は飯田橋のホテルグランドパレスで、期間
は10月23日〜26日の4日間です。参加するのは約20ヵ国、150〜200人くらいの
規模になるようです。

 ルールは国際麻将というやつで、これは中国の麻将(=麻雀、読みもマージ
ャン)をもとに、日本のルールをミックスした感じです。中国麻将に近いので
すがどこにも存在しない新ルールを作ったわけで、人口言語エスペラントのよ
うなものでしょうか。

 この国際麻将はこれから大きな勢力になっていくかもしれませんし、いずれ
はエスペラントのように消えてしまうかもしれません。将来どうなるのかまっ
たくわかりません。

 ぼく個人としては、これまでの日本麻雀が急速に没落していく可能性もある
と思っています。というのは、これまでにもそんな時期が2回あったのです。
それは昭和5年前後と昭和20年代で、その前と後でそれぞれ麻雀は違うゲーム
のようになっています。おそらく世の中が変わったときに、麻雀も様変わりす
るということなのでしょう。

 現行のルールと点数計算は、煩雑すぎますし、非体系的すぎますから、今回
がその時期であるかどうかはわかりませんが、いずれそういった部分が一掃さ
れた麻雀に移行することは間違いないでしょう。

 ただし、いまでも戦前のアルシャル麻雀を打っている人たちもいるわけで、
多数派がどうなったとしても、われわれは自分の打ちたい麻雀を選ぶことがで
き、打ちたい麻雀を打てなくなることはないでしょう。いずれにしろ、麻雀の
ゲームの王者としての地位は揺らがないと思います。

 戦前には、夫が後背位でやろうとしただけで、妻が離婚を申し立てる理由と
して認められたそうですが、いまでは「バックなんてケダモノの体位ですわ!」
という女性は滅亡しました(いっぱいいたりして…^^;)。そういった体位の流
行と同じことで、エッチという基本行為自体は揺るがないのです。


■質問の送り先

知り合いしか質問を送ってこないこのコーナー。
消えてしまう前に聞いておきたいことは以下まで。
質問・投稿以外の内容でも歓迎します。

福地誠 HZN01410@nifty.com


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━━━(6)<ハカセの四畳半から>━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ハカセの麻雀ライフ、あるいは麻雀関係の仕事についての独り言です。
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■東大の麻雀水準■

 ぼくは高校を出てから1年浪人して、東大に入りました。

 東大出というとすごい努力家だったり、優秀な進学校に行っていたり、アイ
ンシュタインのような天才(=変人)だったりするイメージがあるかもしれま
せんが、そんなことはありませんでした。

 浪人した秋になって理系から文系に変えたりして、右打ちか左打ちか悩んで
いるバッターみたいなもので成績はさっぱりでした。模擬試験でも「悪いこと
はいわないから現実を直視しなさい」みたいな判定しかもらったことはなかっ
たのです。

 しかし入試の直前には猛勉強して、そのときに張ったヤマを片っ端から当て
まくり、ラッキーなツモアガリを果たしたのでした。ここらへんは麻雀の経験
が活きているのかもしれません。

 こうして入った東大でしたが、こと麻雀に関しては、ぼくは頭から馬鹿にし
ていたのでした。自分も東大生でありながら、東大に強いやつがいるはずはな
いと思っていたのです。

 昔もいまも麻雀馬鹿になってしまう大学生は存在します。そういった麻雀版
の奇人変人は東大にもいるかもしれないと思いましたが、全体のレベルは低い
に決まっていると決めつけていたのです。

 その一方で、麻雀奇人変人に対する期待もありました。まだ書物でしか見た
ことない「小手返し」なる技を使いこなす達人もいるのだろうとドキドキワク
ワクしていたのです。

 そして実際に、化物みたいな人物は存在しました。東大では構内に駒場寮な
る寮があったのですが、そこには麻雀太郎と呼ばれる人物が住んでいました。
いまだに本名は知らないのですが、毎日麻雀ばかりしていて、3年間で体育実
技0.5単位しか取っていないといった武勇伝が伝わっていました。

 彼の麻雀がすごかったのかといいますと、じつはよくわかりませんでした。
しかし真の敵は彼らではなかったのです。ぼくがハナから馬鹿にしていた新入
生にこそ強敵は潜んでいたのでした。

 大学にも中学や高校と同じようにクラスがあるのですが、ぼくと同じ84年文
V10組というクラスに、広島から来た石竹というヤツがいました。そのとき、
ぼくは19歳、彼は18歳です。

 彼は現役で東大に受かる要領のよさを持ち、高校まで野球部ではなかったの
に大学では野球部に入る運動神経を持ち、初出場の神宮球場では打ったことも
ないホームランをかっ飛ばす強運を持ち、免許を取るとすぐ真っ赤なスポーツ
カーを買い、買った当日に助手席へ女の子を乗せたと自慢し、けれども見た目
はいつまでたってもドン臭く、しかし大学を卒業すると電通に入社したという、
なかなか嫌なヤツでした。

↑いいのだろうか、本名を書いてしまって……(^_^;)。

 そんな石竹は麻雀もまた強かったのでした。クラスの仲間と打ったときに彼
はいつも勝っていました。レベルの低い1年生同士で打つときには、ぼくも負
けていたわけではないので問題なかったのですが、彼と連れ立って麻雀太郎の
部屋に打ちにいったりすると、ぼくに負け役が回ってくるのでした。

 ぼくは自分が同じ新入生ごときに負け越すはずはないと信じながらも、入学
して一ヵ月も過ぎたころには、ヤツと麻雀するとなぜか金が減るなあと感じつ
つありました。

 ある晴れた日の午後、ぼくは彼と連れ立って麻雀太郎の部屋に麻雀を打ちに
いったのでした。そこは場代のいらないフリー雀荘のようなものだったのです。

 その日、とある局面で、麻雀太郎が親で早いリーチをかけていました。他の
3人は彼の捨牌と相談しながら打牌を決めている、そんな雰囲気でした。中盤
の終わりごろになって、石竹は「うーん、回すか…」といい、麻雀太郎の現物
をトイツで落としてきました。

 その数巡後、ぼくが西だか北だかをツモ切りすると、石竹は「ロン」と手牌
を倒します。それがなんと倍満! 手牌は忘れてしまいましたが、ピンズのホ
ンイツだったので、ホンイツ・トイトイ・三暗刻・役牌という組み合せだった
のではないかと思います。

 衝撃の倍満振り込みに「さっきは回すといってたのに…」と半べそをかいて
いるぼくに対して、麻雀太郎は「またそんな言葉を信じて…」と、呆れたよう
につぶやきました。 ←マナ悪ですよね、こいつら。

 そうです。いわれてみれば、いつも同じようなパターンで、ぼくは石竹にや
られていたのでした。ぼくはこいつのカモなのだ! そんな事実に、薄暗くな
ってきた麻雀太郎の小汚い部屋のなかで、ぼくはようやく気がついたのです。

 その日のレートは点3(千点30円)で、半荘3〜4回でぼくは2千円くらい負
けた気がします。しかしそんな金額に数倍するダメージを、そのときぼくは受
けていたのでした。

 それまでの自分を支えていた「東大の新入生ごときに負けるわけがない。な
ぜならぼくは麻雀の本を百冊以上読み、高校でも連戦連勝だったから……」と
いう田舎の高校生じみたプライドは、その日、バベルの塔のようにガラガラと
崩れ落ちてしまったのでした。

 そう、いったん気がついてみれば、石竹はぼくよりも数段上のレベルにいた
のでした。彼は野球部の先輩たちと打っても連戦連勝だったそうですから、実
際に相当強かったのだと思います。

 ぼくは東大では馬鹿かもしれん、しかし麻雀なら負けないのさ。そんなチン
ケなプライドは、吉川ひなのとIZAMの結婚生活よりも短命で、阪神の開幕
ダッシュと変わらない2ヵ月あまりで崩壊したのでありました。


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●○●○●「雀賢荘」からのお知らせ●○●○●○●○

第9回龍虎王決定戦への多くの皆様の御参加ありがとうございました。
次回大会は第20回プロ対戦予選大会です。

<第20回プロ対戦予選大会 日程(予定)>
@2002年11月1日(金)〜11月11日(月)
@雀賢荘大会サロンにて。

皆様、ふるって御参加ください。


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発行  有限会社 アイ・エス・ジャパン
    毎月10日発行
記事  福地 誠
編集  有限会社 アイ・エス・ジャパン
お問い合わせ jankenso@is-jpn.com 
雀賢荘HP  http://jankenso.is-jpn.com/

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