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業界の古館一郎を目指すハカセによる鑑定レポート

ハカセによる麻雀プロ診断
鑑定される人 横山明香プロ
(日本プロ麻雀協会)
鑑定する人 福地誠(ハカセ)
今回の鑑定結果
  • キャラクター ★★★
  • テクニック  ★★★★
  • 気合い    ★★★
コメント

 「しっかり節約してくださいね」

■節約麻雀を打つOLプロ

文/福地誠:
●著者紹介●『近代麻雀』誌にちっぽけな連載を5つほど持つ麻雀ライター。まさに誌面の埋め草だが、それはそれで立派な役回りだと開き直る強さがオヤジの証? 不況の影響かこのところ単行本は出ない。


■週末プロの生活は!?
 ついにお目見えしました。誰が呼んだか麻雀界のベスト清純派、横山明香プロの登場です。麻雀には真面目に取り組み、浮いた噂ひとつない横山さん。麻雀界の菊川玲ちゃんというところでしょうか。女性プロのなかでは息子の嫁にしたい部門の第1位に選ばれています……というのは嘘ですが、そんなこともありそうな人なのです。この日はこんな感じで始まりました。

横山 「こんにちはー」
ハカセ「いろいろ活躍しているようで何よりです」
横山 「いえ、まだまだです(笑)」
ハカセ「まずは自己紹介からどうぞ」
横山 「横山明香です。明香と書いて、さやかと読みます。しし座のA型で、立教大学経済学部を卒業した23歳です」

ハカセ「麻雀プロはいつからでしたっけ?」
横山 「大学の卒業まぎわにプロ協会に入ったのでちょうど1年ですね。まだまだ勉強中の身です」
ハカセ「協会に入る直前に渋谷で打ちましたよねえ」
横山 「あのころよりは上手くなったと思いますよ(笑)」
ハカセ「牌効率を勉強したいといってて、熱心だなーと思った記憶があります」

ハカセ「で、お仕事は何でしたっけ?」
横山 「IT系の会社で働いてます」
ハカセ「出会い系サイトのサクラじゃないよね?(笑)」
横山 「ネットでいろんなものを販売する会社ですって。化粧品とか健康食品とか、いろんなもの売ってますよ」
ハカセ「仮性包茎の悩みを吹き飛ばす驚異の包茎矯正リングなんてものまで売ってるとか?」
横山 「ああ、ホント売ってますねえ(笑)」

ハカセ「最近、麻雀の調子はどうでしょう?」
横山 「時間がなくてあまり打ってないんですよぉ。平日は仕事が終わるのは夜8時くらいで、会社から家に帰るまでにフリー雀荘もないですし」
ハカセ「ネット麻雀は?」
横山 「TAISENが多いですけどやってますよー。なんか雀賢荘はレベルが高くって」

ハカセ「どれどれ、これまで20回打ってトップ率が20%か。確かにあまり高くないかも」
横山 「はい」
ハカセ「あれ? ラス率は10%? んで平均点数が4万点?」
横山 「変ですか?」
ハカセ「見たことないよこーゆー成績は。つまりほとんど2着だと?」
横山 「そうですねえ。カタく打ってるってことはありますけど」
ハカセ「この成績だと、10回打ったとして6〜7回は2着ってことでしょ」
横山 「カタすぎます?」
ハカセ「もしかして倹約家でしょ」
横山 「まあ少々…」

ハカセ「趣味は?」
横山 「何ですかいきなり(笑)。えーと買い物と料理と占いですかねえ」
ハカセ「宝くじとかパチンコとか、無意味なものにお金を使ったことってあります?」
横山 「置き場所ないなあと思ったポインセチアを最近買いましたけど」
ハカセ「もしかして男関係もダマテン主義?」
横山 「……」
ハカセ「お、手ごたえが(笑)」

運営者「あの、セクハラはそれくらいにして、そろそろ対局を始めたいんですが…」
ハカセ「そうですね。口もカタそうだし(笑)」
運営者「じゃあVIPサロンに入りましょう」
横山 「相手はどんな人たちですか?」
運営者「今日の対局者は、前回チャンピオンの東風の虎さん、予選大会1位のみどりんごさん、2位のパチスロ王さんですね」
横山 「みどりんごさんって毒リンゴみたいな名前ですねえ」
ハカセ「前はみどりこって名前だったけど変えたんだよね。男だけど」
横山 「男なのにみどりこ? やっぱり雀賢荘はレベル高いかも……」
ハカセ「それは関係ないと思うぞ(笑)」

運営者「それでは卓を開きましょう」
横山 「はい。……これでいいですか?」
運営者「ばっちりです。これで3人が入ってきたらスタートします」

 こうして始まった対局は新鮮なものとなりました。短期戦で勝つためのひとつのモデルを示されたように思えたのです。さすがはネット麻雀で好成績を残しているだけあって、横山さんは自分なりのスタイルを築き上げていたのでした。短期戦でも、いや短期戦だからこそ、戦略の組み立てが重要になります。横山さんの打ち方は、いってしまうなら節約マダムモデルです。日々節約してお金をコツコツと貯め、チャンスが来たらそのお金を株に突っ込みます。チャンスの見極めには慎重で、目に見えるリスクは負いません。

 その節約精神は、点棒に直結するときだけでなく、牌の効率にも発揮され、一打ごとにもっとも無駄のない打牌を選んでいきます。「あら、あっちのスーパーなら卵1パックが○○円だわ」ってな感じで打牌を選択し、「たまにはヨード卵にしようかしら」とか、「地鶏の卵もよさそうね」とか、よけいな夢は見ないのです。夢を見るのはメンゼンでテンパイしたときだけで、そんなときは「これからソニー株が上がりそうだわ」とか「光通信はチャンスかしら」といった感じでリスクを背負ってリーチをかけます。

 独身女性雑誌では、恋愛、ファッション、芸能人が三大テーマですが、奥様雑誌を見てみると、節約、収納、料理が三大テーマとなっています。まだ若い横山さんですが、麻雀は節約マダム風なのでした。それでは、その節約麻雀を具体的に見ていきましょう。



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